表現の原点は、幼少期に父が撮り溜めたホームビデオに、Still Cornersの『The Trip』を重ねて自ら編集した記憶にある。
それを見た母が流した涙が、私に教えてくれた。
記録は単なる保存ではなく、手を加えることで、人の心を揺さぶり、未来をも動かす力を持つということを。
その気付きが、すべての創作を始めるきっかけとなった。
日々の暮らしで心が動いた瞬間や、その場の空気、個人的な記憶の断片を掬い上げ、体温を感じさせる作品へと変えていく。
その実践の場として立ち上げたのが、ライフワーク・プロジェクト『Balloon Packing Moments(https://bpm-mqd.com)』である。
ここには、過ぎ去る瞬間を風船に詰め込み、時の流れに放つという想いを込めている。
僕がつくるものに、決まった形はない。
音、文章、映像、あるいは特定の空間や、時間をかけて育てる何か。
それらはすべて、記憶を結晶化するための異なる「器」に過ぎない。
どんな媒体であっても、そこに思想があれば、すべてが地続きの表現になる。
目指すのは、ただの思い出の保管ではなく、未来の自分や家族、そしてここに集う誰かが道に迷ったときに立ち返る「確かな拠り所」を築いていくこと。
過去の温もりを燃料にして、心地いい未来の姿を一緒に描いていく。
いつか自分の人生を見上げた時、未来の私たちが笑っていられるように、僕は形にとらわれず、時間をデザインし続ける。



